プッチーニ:歌劇『トスカ』第三幕ラストシーン
ー今週のテーマは、『トスカ』!
ー今日は、最も劇的なラストシーン!!

 第3幕 サンタンジェロ城
サンタンジェロ城の屋上にある牢屋と処刑場。 冒頭、ホルンのファンファーレに続いて、朝を告げる鐘の音と羊飼いの牧歌が聞こえる。
カヴァラドッシは夜明けに行われる処刑を牢屋で待っている。彼は司祭との面会を断り、看守に指輪を与えてトスカに伝言を渡すよう頼む。
別れの手紙を書き始めるが、自らの死と恋人との別れを想うと絶望して泣き崩れる(アリア「星は光りぬ」昨日のアップ)。

トスカが現れ、驚くカヴァラドッシに通行証を見せ、これまでのいきさつを語る。空砲で見せかけの処刑が行われること、恋人の助命を引き換えに身体を要求したスカルピアを、
信心深く虫も殺せぬ彼女が刺し殺したことを聞き、カヴァラドッシは彼女の手をとって「おおやさしい手よ」とトスカの愛情と勇気をたたえる(「優しく清らかな手」)。
時間が迫ったことを告げる彼女に、カヴァラドッシは、君ゆえに死にたくなかったと語りトスカと互いの愛情を歌う(二重唱「新しい希望に魂は勝ち誇って」)。

看守がカヴァラドッシに時が来たことを告げる。 トスカに見送られて刑場に赴くカヴァラドッシに、彼女は「うまく倒れてね」と言葉をかけ、彼も劇場のトスカのようにと応じる余裕を見せる。
並んだ兵士たちが一斉に発砲し、カヴァラドッシは倒れる。トスカは彼の演技がうまいと一人ほめる。
兵士たちが去ったのをみてトスカはマリオに近づき、逃げようと声を掛けるが彼は動かない。
処刑は本物だった。スカルピアは最初からカヴァラドッシの命を救うつもりなどなかった。 トスカは死んで横たわるカヴァラドッシの傍らでスカルピアの計略を悟り、マリオの名を呼んで泣き叫ぶ。
そこにスカルピアが殺されていることを知ったスポレッタが兵士と共に駆け寄り、彼女を殺人罪で逮捕しようとするが、彼女は逃れ、サンタンジェロ城の屋上から身を投げる。

トスカはゲオルギュー、カヴァラドッシがアラーニャ、アントニオ・バッパーノ指揮コヴェントガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団。2001年の映像。