モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番変ロ長調 K.456
ー今週のテーマは、モーツァルトとヨーロッパの色彩。
ーまずはこの愛らしいピアノ協奏曲!!
1784年9月30日ウィーンで作曲され、オーストリア出身の盲目のピアニストマリア・テレジア・フォン・パラディスのために作曲された。これはパラディスのパリへの演奏旅行のために作曲されたものと考えられている。
翌1785年2月13日に、モーツァルトはラスキ婦人というソプラノ歌手の演奏会に客演し、その際にこのピアノ協奏曲を演奏した(モーツァルトはピアノを担当)。この年の2月から4月まで、息子の様子を見にウィーンに来ていた父レオポルトもその演奏会に臨んでおり、また同じく皇帝ヨーゼフ2世も臨席していた。ちなみに演奏が終わると、レオポルトは作品の美しさに感涙し、ヨーゼフ2世は「ブラヴォー、モーツァルト!」と叫んだという。

第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調、4分の4拍子。 ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ・ウン・ポコ・ソステヌート ト短調、4分の2拍子。変奏曲形式。主題と5つの変奏から成る。
第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ロ長調、8分の6拍子。ロンド形式。
第2楽章の変奏曲の主題は、1年半後に完成されるオペラ『フィガロの結婚』第4幕におけるバルバリーナのアリアと酷似している。また第1楽章の主題も『フィガロの結婚』に共通するような軽快さが指摘されている。

演奏は、リヒテルのピアノ、ルドルフ・バルシャイ指揮新生日本交響楽団。1994年の録画。