ヘンデル:私を泣かせてください、歌劇「リナルド」第二幕より
ー今週のテーマは、春の兆しno.2ー弥生・蟄虫啓戸(蟄虫が戸を啓く)
ー静かに、しかし正面から困難に立ち向かう心。
「私を泣かせてください」(Lascia ch’io pianga)は、ヘンデルが作曲したオペラ『リナルド』のなかのアリア。
劇中でエルサレムのイスラーム側の魔法使いの囚われの身になったアルミレーナが、敵軍の王アルガンテに求愛されるが愛するリナルドへの貞節を守るため「苛酷な運命に涙を流しましょう」と歌うアリアである。
 日本女子大学の創設者成瀬仁蔵の愛唱歌”O Lord! Correct Me”(おお、主よ、私を正したまへ)はこの曲にJ.S.Dwightの英語歌詞をつけたもの。
 
Lascia ch’io pianga
mia cruda sorte,
e che sospiri la libertà.
Il duolo infranga queste ritorte
de’ miei martiri sol per pietà.
どうか泣くのをお許しください
この過酷な運命に
どうか自由にあこがれることをお許しください
わが悲しみは、打ち続く受難に鎖されたまま
憐れみさえも受けられないのであれば
 歌は、グラミー賞受賞者でメゾ・ソプラノのジョイス・ディドナート。伸びのある香しい歌声だ。