ワーグナー:ジーグフリード牧歌
ー今週のテーマは年末のリラクゼーション。
ー今日は、ジーグフリード牧歌のトランスクリプション。
1870年に、妻コジマ・ワーグナーへの誕生日およびクリスマスの贈り物として準備された。同年12月25日に、ルツェルン州トリープシェンの自宅(現ワーグナー博物館)で非公開初演が行われ、事前にその存在を知らされていなかったコジマを感激させた。また前年に息子ジークフリートを産んでくれたコジマに、ねぎらいと感謝を示す音楽でもあった。

1870年12月25日早朝、弟子のリヒターが事前にチューリヒのオーケストラから選んだ楽人達はワーグナー邸に到着した後、台所でチューニングを行い、コジマの寝室脇の曲り階段に音を立てない様に譜面台を並べて準備を始めた。ワーグナー自身は指揮のため階段頂上に陣取り、楽人たちは階段上に順番に席を占めたが、最後尾のチェロとコントラバスは曲り階段のためワーグナーからは見えない状況だった。
また、リヒターはヴィオラとトランペットを掛け持ちで演奏することになっていた。このため、彼はワーグナーから楽譜をもらった12月4日から毎日、軍楽隊から楽器を借りて兵舎で練習を行った。
演奏は午前7時30分から始まり、コジマは大変驚いた上にさらに感激した。演奏はその日のうちに数回繰り返された。また、オーケストラが階段上にいたため、長女イゾルデ(当時5歳)と次女エヴァ(当時3歳)はこの曲を「階段の音楽」と呼んだ。

 演奏は、グレン・グールド。静かにゆっくりと、グールドのタッチで弾いている。