ワーグナー:ジーグフリート牧歌
ー今週のテーマは、ワーグナーへのアプローチ。
ー最後は優しいこの曲で。
《ジークフリート牧歌》(Siegfried-Idyll)は、室内オーケストラのための作品。1870年に、妻コジマへの誕生日およびクリスマスの贈り物として準備された。同年12月25日に、ルツェルン州トリープシェンの自宅で非公開初演が行われ、事前に知らされていなかったコジマを感激させた。本作品はまた、前年に息子ジークフリートを産んだコジマに、ねぎらいと感謝を示す音楽でもあった。
原題は『フィーディー(ジークフリートの愛称)の鳥の歌とオレンジ色の日の出をともなうトリープシェン牧歌』。ワーグナーの楽劇《ジークフリート》は、1876年まで初演されていなかったが、それと共通する素材が《ジークフリート牧歌》のなかに含まれている。ワーグナーは、未完成の室内楽曲から旋律素材を《牧歌》に用い、その後さらに、《ジークフリート》第三幕最後のジークフリートとブリュンヒルデの愛の場面にも転用した。
演奏は、ドナルド・ラニクルズ指揮BBCスコティッシュ交響楽団。2012年プロムスでの録画。