ヴェルディ:「さあ急いでいらっしゃい」歌劇「マクベス」より
ークラシック音楽の中のシェイクスピア第二回マクベス
オペラ『マクベス』は、シェイクスピアの戯曲をもとにヴェルディが作曲した最初の作品。この後、シェイクスピアの原作によるヴェルディのオペラには、後期の『オテロ』『ファルスタッフ』がある。ヴェルディは、シェイクスピアを愛読していたようで、イタリア語による全集を枕元に置いていた。『ナブッコ』の成功により、オペラ作曲家として忙しい日々を送っていたヴェルディは、体調不良で倒れ、温泉療養に出掛ける。そこでじっくりと向き合ったのが、この『マクベス』の作曲だった。魔女の予言に踊らされるマクベス夫妻の生々しい感情を表現したこの異色作は大成功を収め、初演で38回も作曲者が舞台に呼び出されたという。
第1幕】
時は1040年、舞台はスコットランド。スコットランド王のダンカンに仕えるマクベスとバンクォーは、嵐の荒野で魔女たちの一群に出会った。魔女たちはマクベスに「コーダの領主となり、さらにはスコットランドの王となるだろう」と予言する。そしてバンクォーには「お前の子供は王となるだろう」と予言した。このとき兵士がやってきて、コーダ領主が死去し、王がマクベスをその後任としたことを伝える。予言の正しさが証明されたのです。
この予言のことをマクベスからの手紙で知ったマクベス夫人は、夫を王座に就かせようと野心を募らせる。ちょうどその夜、ダンカン王がマクベスの城に宿泊することになっていた。夫人はマクベスの背中を押し、マクベスはついに王の寝室に忍び入り、短剣で刺した。夫人は、うろたえるマクベスが握っていた短剣を奪い、寝室に置きに行く。マクベス夫人も自らの手を王の血で汚してしまった。
このアリアはこうした中でマクベス夫人が歌うもの。
第一幕第5場
マクベスの城の広間 他の部屋に通じている
マクベス夫人が手紙を読んでいる

【夫人】
「勝利の日に私が出会った者どもに…
聞かされたことには驚いた
それから王の伝令がやってきて告げたとき
コーダーの領主になると、予言がひとつ実現した
その同じ予言者が
私の頭上に王冠が輝くと予言しておる
このことは心の中に秘めておくように。それでは」
野心的な人です
あなたは、マクベス… 栄達には憧れている
けれど、あなたは悪になれるのかしら?
たくさんの悪事が導くのよ
権力へと、だけど深手を負ってしまう もしその途中で
よろめき 引き返したりしたら!
さあいらっしゃい!火をつけてあげましょう
あなたの冷たい心臓の中に!
そしてこの大胆な企てを成就するため
私はあなたに勇気をあげましょう
あなたに約束したのよ スコットランドの
王位を 予言者たちは …
何をためらうの? 贈り物を受けなさい
王座に上り 君臨するのです

歌唱は、マリア・カラス。素晴らしい!