スメタナ:歌劇「売られた花嫁」第一幕
ー今週のテーマはドヴォルザークとチェコの作曲家。
ー今日は、スメタナの代表作の1つ「売られた花嫁」
チェコ語で書かれたオペラとしてチェコ国民オペラを代表する作品で、その作曲技法はロマン派音楽の技法に則っている。
「国民音楽の創造は民謡の引用や模倣だ」という風潮に抵抗したスメタナは、「民族芸術は現代の作曲技法を採用すべき」と主張し、具体的な場面描写以外で民謡を引用することを避けた。このオペラでもポルカ、フリアント、スコチナーといった民族舞踊のリズムをもった曲があるが、それらはいずれも村人達を描写するために用いられているに過ぎない。
舞曲以外では、大道芸人の行進にボヘミアの伝統的なパストラルの響きが感じられる程度で、有名な序曲も、古典派のソナタ形式に従い、民謡の引用やそれらとの類似性は見いだせない。
スメタナは、安直に民謡を引用することなくロマン派音楽の語法によってボヘミアの農村を活写したことで、ロマン派音楽の系譜の中にチェコ国民音楽を組み入れることに成功した。そしてこれにより、チェコ国民音楽は広くヨーロッパにその存在感を示すこととなり、ドヴォルザーク、ヤナーチェクへの道を拓いていった。
この録画は「売られた花嫁」全曲が入っているが、冒頭の12分程度を見ていただきたい。有名な序曲に次いで、第一幕「ボヘミアの春祭り」冒頭のシーンでは、村人の生き生きとした踊りを見ることができる。
また市内中心部を流れるヴルタヴァ川(ドイツ語名:モルダウ)と、中心街にあるカレル橋やスメタナ・ミュージアム、そして国民劇場が映し出されている。
演奏は、ズデネーク・コシュラー指揮チェコ・フィルハーモニーおよびプラハ国立歌劇場。