サラサーテ:カルメン幻想曲
ー今週は、クララ・ジュミ・カンにフォーカス。
ーまずはこの曲。
今週は、珍しくアーティストにフォーカスしたい。ヴァイオリニストのクララ・ジュミ・カン(Clara Jumi Kang)は、1987年マンハイム生まれの韓国系ドイツ人。オペラ歌手の両親のもと、16歳までドイツに居住。4歳でマンハイム音楽大学に入学、5歳でオーケストラと共演した。この間、7歳からニューヨークで3年間ディレイに師事。2004年からは韓国でキム・ナムユンに師事。2010年6月仙台国際音楽コンクールバイオリン部門第1位、同年9月インディアナポリス国際バイオリンコンクールで第1位を獲得し、一躍世界的に注目を浴びる。
とにかくこの演奏を聴いていただきたい。内面性や知性を感じさせる、多彩な表現力。こういう人を逸材と言うのだろう。CDはあまり出ていないが、Youtubeでは優れた映像がたくさんアップされている。これがYouTubeの醍醐味だ。なお伴奏は1986年韓国・原州市生まれの女性ピアニストソン・ヨルム(Son Yeol-Eum )。
さて『カルメン幻想曲』( Fantaisie sur Carmen)作品25は、スペインのサラサーテが1883年に作曲したヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲。
1.序奏 Allegro moderato
オペラの第4幕への間奏曲「アラゴネーズ」の素材を使用。管弦楽による前奏の後、独奏ヴァイオリンに主旋律が現れる。トリル、重音奏法、グリッサンド、フラジオレットなどの技巧が使われ、最後はピッツィカートで静かに終わる。
2.Moderato
4分の2拍子。弦楽器の伴奏で独奏ヴァイオリンがオペラ第1幕でカルメンが歌う「ハバネラ」を奏す。メロディが繰り返されるごとに装飾性が増していく。
3.Lento assai
8分の6拍子。第1幕でカルメンが歌う鼻歌「トゥ・ラララ」のメロディを使用。フラジオレットにより静かに終わる。
4.Allegro moderato
8分の3拍子。この部分も第1幕でカルメンが歌う「セギディーリャ」のメロディが素材となる。ピッツィカート、トリル、 グリッサンドなどが効果的に使用される。
5.Moderato
4分の3拍子。オペラ第2幕冒頭の「ジプシーの歌」が素材。弱音から始まり、テンポを次第に速め最後は最強音で熱狂的に終わる。