プロコフィエフ:騎士達のダンス、バレエ「ロメオとジュリエット」より
ー重々しく、モダンでキャラクターの鮮明な音楽!
ークラシック音楽の中のシェイクスピア
今日取り上げるのは、プロコフィエフ(1891-1953)のバレエ≪ロメオとジュリエット≫の第1幕第4場13曲目の「騎士たちの踊り」。第4場はキャピュレット家の舞踏会場から始まる。この曲は 騎士と貴婦人を表す威圧的な音楽で、金管の和音伴奏の上に主題が常にユニゾンで奏される。組曲版では「モンタギュー家とキャピュレット家」の名で知られている。
シェイクスピアの悲劇≪ロメオとジュリエット≫は、彼の初期の作品であり、その情緒的内容の深さがきわめて音楽的であるために、今まで多くの作曲家たちによって作品化されてきた。オペラだけでも14曲を数え、交響曲もいくつか残っている。
しかし、オペラでは今日グノーの作品が、交響曲ではベルリオーズの劇的交響曲が、チャイコフスキーの幻想序曲が時折上演される程度。これに対して、プロコフィエフのバレエ曲は、情緒の深さ、個性の鋭さにおいてまた規模の大きさにおいてもはるかに優位に立っている、といわれる。
プロコフィエフがこの作品を書いた頃(1934-5)、彼は自身の作風に飽き足らず、これを打破すべき芸術上の転換期に立って悩み続けていた。1933年、15年ぶりで亡命先のパリからソヴィエトに帰りモスクワに定住するや、かねてからの課題であった、単純で表現的な手法、社会主義思想に基づく抒情性豊かな作品創造に努力し、これを舞台音楽で果たそうとした。
≪ペアレスとメリザンド≫か≪トリスタンとイゾルデ≫のどちらかを選ぼうとした矢先、たまたま目にした≪ロメオとジュリエット≫に描かれているシェイクスピアの偉大な人道主義的な詩的内容に感動し、この作品をバレエ化することに決めたという。
演奏は、ワレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団。