プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調作品26
ー今週のテーマは、ラフマニノフとプロコフィエフ。
ー今日は、プロコフィエフの傑作を。
初期に位置する作品だが、プロコフィエフ固有の均衡感あるモダニズムと叙情性を兼ね備えた、完成度の高いピアノ協奏曲。作曲は1917年に開始されたが、ロシア革命後の翌1918年にアメリカへ亡命し、ニューヨークやシカゴを中心に音楽活動の様々な可能性を探っていたこともあり、完成は1921年を待たなければならなかった。この協奏曲は1921年12月、自身のピアノとシカゴ交響楽団との共演で初演された。
構成は第1楽章が序奏付のソナタ形式、第2楽章が変奏曲、第3楽章がロンド形式と、古典的な器楽の典型をとっており、演奏時間も30分足らずと簡潔にまとまっている。
その中で、調性が非常に明瞭な部分と不明瞭な部分、リズミックで躍動感に溢れた部分と静かで抒情的な部分と、様々な音楽的要素が対比を成しているとともに、プロコフィエフの作品にしばしば登場する粋な旋律が際立っている。中でも第二楽章でオーケストラによって提示される諧謔的なテーマが、しっとりとした情感を持ってピアノに引き継がれ、再び騒々しく、また情感溢れるように展開していくところが見事。
また、ピアノパートが音楽的に前面へと押し出されていた前作の第2番に対し、ピアノとオーケストラがバランスよく掛け合っているのも、この第3番の大きな特徴。
演奏は、ピアノがダニール・トリフォノフ、ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管弦楽団。トリフォノフの集中力のある熱演を繰り広げる一方、ゲルギエフが冷静でやや覇気を感じられないのが興味深い。