オリヴィエ・メシアン:夢のなかのかすかな音 / “Les sons impalpables du rêve” 、「前奏曲集」5
ー今週のテーマは「バラードと前奏曲」
ーラストはメシアンの「前奏曲集」から
《前奏曲集》(1929)はメシアン独自の語法が明確に刻印された最初の作品として、後のメシアンの壮大な音楽世界の幕開けを告げている。各曲に付けられた詩的なタイトルはドビュッシーの《前奏曲集》を想起させるものの、音楽語法に関する両者の共通要素はそれほど明確ではなく、メシアンはドビュッシーの世界から距離をおこうと努めているようだ。実際、《前奏曲集》はパリ音楽院での11年におよぶ修業期間(1919-1930)の末期にメシアンが提出した作品であり、メシアンはこの曲集を世に問うことで、作曲家として十分な素質をそなえていることをパリの音楽界に示そうとした。
「夢の中のかすかな音」ーメシアンは音で色を感じていた。左手の和音は、メシアンの言う「青色がかったスミレ色」の響きが使われている。右手の響きには「赤紫の」色彩が使われており、“漠然とした”響きではあるが、全体に非常に華やかな印象を与える。中間部の高音と低音で上下ひっくり返ったカノンは、中声部の密集音程によってかなり黒ずんだ灰色の背景をつけられている。
ピアノは、ドイツ、トリア出身のアレクサンダー・ロングヴィッヒ。