モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 「プロシャ王第1」 K.575
ー今週のテーマは、ハイドンとモーツァルトの秋。
1789年フランス革命の年、モーツァルトは晩年の33歳で人生の秋だった。
経済的困窮が進む中、リヒノフスキー侯爵から旅の誘いを受け、4月にウイーンを出発する。
5月19日ベルリンを訪れ、一週間後プロイセン王の御前で演奏する機会が与えられ、同時にチェロを得意とする王のために6曲の弦楽四重奏曲の作曲を依頼された。
K.575は同年6月4日にウィーンで作曲された。曲は全体にチェロを配慮している点が大きな特徴となっている。
第1楽章 アレグレット ニ長調、2分の2拍子。
ソナタ形式。冒頭主題は、初期の弦楽四重奏曲(「ミラノ四重奏曲」第1番)との類似が指摘されるほどシンプル。
第2楽章 アンダンテ イ長調、4分の3拍子。
二部形式。モーツァルトがかつて作曲した歌曲「すみれ」を想起させる旋律を使用していることで知られている。モーツァルトの晩年独自の平穏さを感じさせる楽章である。
第3楽章 メヌエット、アレグレット ニ長調、4分の3拍子。
明るく快活なメヌエット楽章。メヌエット、トリオの2部構成で、それぞれの部分が反復記号で繰り返される形になっている。
第4楽章 アレグレット ニ長調、2分の2拍子。
ロンド形式。かなり変形された自由なロンド形式で書かれている。
演奏はゲヴァントハウス弦楽四重奏団。