バッハ:ゴールドベルク変奏曲
ー今週のテーマは年末のリラクゼーション。
ー今日は、グールドのゴールドベルク2006!!
ゴールドベルク変奏曲は、ピアノが主流となった時代から20世紀初頭まで演奏されることは少なかったが、ワンダ・ランドフスカがモダンチェンバロによる演奏を録音し、高く評価された。そしてグレン・グールドはレコード会社に反対されながらもデビュー盤にこの曲を選択、1956年1月に発売された最初のゴールドベルク変奏曲は、史上最も成功を収めたクラシック音楽のアルバムとなった。そして1955年6月10日~16日の間の4日間にニューヨークのコロンビア30丁目スタジオで行なわれた録音は、当時22歳だったグールドにとって米コロンビア・レーベルへのデビューともなった。
この長大な変奏曲は、32小節から成るアリアを最初と最後に配置し、その間にアリアの32音の低音主題に基づく30の変奏が展開され、全部で32曲で構成されている。
さてこの録音は、グールド55年盤の演奏を徹底的に分析して21世紀のソフトウェアとハードウェア技術でピアノを自動演奏させた説得力のある「再創造(Re−Performance)」。
一見重々しさに引きずられるかのバッハを、ポストモダンな精神でイノベーションし、時には軽やかに進み行き、時にはしっとりと静謐に歌い、見事に新しい精神を吹き込んでいるグールドの演奏が、ある意味で純化されている。他方で、グールドのハミングや椅子の軋む音は聞こえない。