ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調作品53(B.108)
ー今週のテーマはドヴォルザークとチェコの作曲家。
ー熱い熱情と民俗的情緒の名作!
ベートーヴェン風に決然と開始する第1楽章。すぐに独奏ヴァイオリンが主題を奏でる。力のみなぎる情感たっぷりのメロディ。それでいてそこはかとなく漂う哀愁は、ドヴォルザークならでは。柔らかく緑が香る第2主題も素晴らしい美しさ。
切れ目なく始まる第2楽章は、纏綿たる情緒のアダージョ。穏やかな雰囲気の中で始まる悲劇的な3連符メロディは印象的。独奏ヴァイオリンが元来備えている伸びやかなロマンティシズムとドヴォルザークのフォークロリズムは、相反することなく溶け合ってほのかに甘く紡がれていく。
第3楽章はドヴォルザークらしい民族舞曲調のロンド。この中にはドゥムカの性格も含まれている。愛らしくはつらつとした独奏ヴァイオリンが主題を奏で、オーケストラも喜ばしくついていく。この主題は6/8拍子だが、シンコペーションで3/4拍子に聴こえるようにしている。中間部のエピソードは物悲しい短調。2/4拍子に変わってドゥムカ調が一瞬薄らぐ。この2/4拍子は実はコーダにも登場するが、最終的には元の6/8拍子に戻ってラストを迎える。

 演奏は、ヴァイオリンがリサ・バティアシュビリ。パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団。深々として情感豊かなリサのヴァイオリンをお聴きあれ !!